フトアゴ王国

フトアゴヒゲトカゲの観察・考察、研究解説。少しでも参考になればうれしいです◎

イモリの体の再生の仕組み

まず、イモリ、がどんな生き物かというと、

トカゲ、ヤモリ、イモリは似ていますが、

トカゲとヤモリは爬虫類、イモリは両生類です。

 

トカゲは昼行性、ヤモリは夜行性が多く、

基本的にはヤモリは瞼がないため目を閉じれません。

トカゲとヤモリの違いは分かるけど、

ヤモリとイモリがごっちゃになるという人は多いのではないでしょうか。

ヤモリとイモリは漢字で書くと、

家守(ヤモリ)

井守(イモリ)

となりなす。

ヤモリは確かに夜に網戸に現れて、光に集まる虫を食べています。

イモリの井という漢字は水を組むところ、井戸、という意味があり、漢字の通りイモリは水辺で生活しています。

 

爬虫類はワニ、トカゲ、ヤモリ、カメ、ヘビなど

両生類はカエル、イモリ、サンショウウオなど

です。

爬虫類と両生類の違いは、

爬虫類は卵に殻がある、両生類はない。

爬虫類は生まれた時から形は変わらないが、両生類は幼体と成体では形が変わる。(えら呼吸→肺呼吸)

爬虫類は鱗があるが、両生類にはない。

などなどです。

両生類は漢字の通り、水と陸の両方で生きれるという意味なのかなと思っています。

 

では、本題です。

イモリはなんと体の一部がちぎれたりしても、再生できるんです!手や足だけじゃなくて、目や心臓、脳の一部を切り取っても再生します!とっても凄いですよね!

両生類の多くは、幼体のときはこの再生能力があるようですが、大人になると失われるみたいです。しかし、イモリは特別で、変態(幼体から成体に形が変わること)したあとも、この能力が残っています。

そして、幼体のイモリと成体のイモリでは再生する仕組みが少し違っています。

 

①幼体の再生の仕組み

幼体のイモリは「幹細胞」という細胞が切断されたところに集まって細胞を作り、再生されます。「幹細胞」とは、自己複製能力と様々な細胞に分化する能力(受精卵から色んな細胞になること)を持っており、肺性幹細胞(ES細胞)や、最近ではiPS細胞なども含まれます。とにかく最強な細胞なんです!

②成体の再生の仕組み

成体のイモリの再生は幹細胞はあまり関与はしていなくて、「脱分化」と呼ばれる現象によるものです。脱分化とは細胞が構成している組織の特徴を失うことです。そして傷口には「再生芽」ができて、元の器官ができてくるという流れになります。「再生芽」とは分化されていない細胞の芽のことです。

 

そして、京都大学の山中教授のiPS細胞ですが、

iPS細胞とは「人工多能性幹細胞」といわれ、普通の体細胞に多能性誘導因子を導入して、培養すると、”さまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化したもの“です。

余談ですが、iPS細胞は英語で

induced pluripotent stem cell といい、

多能性を引き起こす幹細胞と訳せます。

iPS細胞のiが小文字なのは、当時流行っていたiPodのように普及してほしいからという理由で、とってもおもしろいです!!

 

以上です!!